十月通信 2019.0 5.10 第1 4 1号
発行:Bar 十月(新宿ゴールデン街)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
みなさま、いつもご贔屓いただきありがとうございます。
新しき「令和」の始まりです。各自の感慨を胸に五月晴れちょっぴりのスタ
ートでした。今年も桜を堪能できたことをお天道さまに感謝しております。四
季折々の花に年に一度出会うということは、人生という道が少しずつ延長して
ゆくようで幸せなことです。どこまで道を延ばせるでしょう。
たまの晴天にはこころの虫干しでもしましょうか。
さて、今月のわたしの歌。
♪ このあいだ話したばっかり突然の訃報に驚愕茫然自失
♪ 花筏乗りて先生黄泉の客となりたりかぞえで卒寿
♪ マルケスやボルヘス、ロルカ、カルペンティエール、流れる映画のロー
ルのごとく
♪ アイリッシュ珈琲ここが美味しいと銀座和蘭豆をご一緒したっけ
♪ あるじなき家の垣根のピラカンサ今年も紅く色めくかしらん
♪ あと十年生きるような気もすると聞いた言葉もおいてけぼりに
♪ 先生の口癖カナリア諸島行きカナリア貯金していましたよ
♪ 嗚呼先生住吉神社のその向こう空が青くてお別れですね
♪ 魔術的リアリズムとはこれですか先生どこに居るのでしょうか?
鼓直先生が当店の階段を間違えて昇って見えた時は開店早々でしたっけ。そ
れからの月日、いろいろな時間、いろいろな場所をご一緒させていただきまし
た。当店のイベント「大人の修学旅行」には初回から参加されて、いつも喜ん
でくださいました。ラテンアメリカ文学研究者、翻訳者として第一人者である
にもかかわらず、威張らず、若者にも同じように接しているのを見ると、大物
ほど謙虚であることがよくわかりました。
いつか、カナリア諸島へ行きたい! が口癖でした。去年行っておけば良か
ったと後悔しきりです。
「あと十年、僕、生きていそうよ」本当に、先生の訳された『百年の孤独』の
登場人物のように長生きされると信じていました。胸に空いた穴は大きくまだ
まだ埋まりそうにもありません。先生へのおもいも思い出もまだ歌にのせるこ
とができません。合掌
■【「Bar十月」作品展】
● ……………………………………………………………………………………… ●
◎李元淑作品展:5月1日(水)~15日(水)
木版画がこれだけの表現力をもちえるのは不思議。あらわれるやさしさに加
え、円熟味まで加わってきたように思います。
◎高橋俊明作品展「静謐の蒼き彼方へ」:5月16日(木)~31日(金)
画家は、この絵に何をみているのでしょうか。この蒼き彼方のなにを描こう
としているのでしょう。
6月は、
◎宮嶋結香小作品展「Evening Party」は:6月1日(土)~15日(土)
◎荻嶋あつみ作品展:6月17日(月)~29日(土)
宮嶋結香さんが十月で開くEvening Party」は、さて、どんなパーティに
なるでしょう。十月展初めてです。荻嶋あつみさん、今回はどんな作品をも
ってきてくれるでしょうか。
■【日本酒の会】
● ……………………………………………………………………………………… ●
5月・第165回日本酒の会は「大阪府のお酒」です。
候補酒は、浪花政宗(阪南市)、緑一(池田市)、國乃長(高槻市)、千利
休(堺市)、清鶴(高槻市)、天野酒(河内長野市)、片野桜(交野市)‥‥。
5月25日(土)午後7時頃~、当店「十月」で。
会費は2,700円、酒肴付。
4月「愛知県」は、虎変/特別純米、鷹の夢/特別純米、二兎/純米吟醸を
いただきました。
6月は「奈良県」、7月は「滋賀県」のお酒の予定。
毎月、月末の土曜日にやっています。お酒、酒肴の持ち込み大歓迎!
皆様、いっしょに、おいしいお酒を飲みましょう。
■【お知らせ】
● ……………………………………………………………………………………… ●
◎えにしのサロン第19回 《錦の舞―打掛ものがたり》
5月18日(土)13:30 開場14:00 開演
光が丘美術館(練馬区田柄5-27-25、都営大江戸線光が丘駅)
音楽は、若手尺八演奏家、田嶋謙一さんとヴァイオリン・河村典子、コント
ラバス・白土文雄で、前田智子さんの作品《鷺娘》他を、聞いていただきます。
着物ドレスデザイナー、若槻せつ子さんをお迎えして、日本伝統の打掛の歴
史、その美について語っていただき、数点を展示していただきます。
大須賀麻由美さんの季節感あふれる手作りの和菓子と光が丘美術館の素敵な
雰囲気のなかで、非日常のひとときをどうぞご一緒に!
◎すかがわ国際短編映画祭第31回
5月11日(土曜)12日(日曜)、10時から須賀川市文化センターにて。
新緑あふれる中での映画祭です。是非一度! ご近所の方是非是非!
■【映画日記】
● ……………………………………………………………………………………… ●
なんだか見たい映画が目白押しで、映画館に住み込みたいぐらいです。
さて4月に観た映画は、
1.記者たち 衝撃と畏怖の真実
2.ペパーミント・キャンディー
3.半世界
4.ビューティフル・ボーイ
5.ソローキンの見た桜
6.希望の灯り
7.アガサ・クリスティー ねじれた家
8.魂のゆくえ
9.ヒトラーVS.ピカソ 奪われた名画のゆくえ
10.波乗りオフィスへようこそ
11.荒野にて
12.バイス
13.パパは奮闘中!
14. 誰がために憲法はある
15. 山懐に抱かれて
16. 岬の兄弟
17. リアム16歳、はじめての学校
18. ある少年の告白
「記者たち 衝撃と畏怖の真実」ブッシュ大統領時代の話。いつも言うことで
すが真実を伝える大事さが伝わる。日本の新聞社はいかがなものでしょう。
「バイス」こちらもブッシュ大統領時代の作品。エンドロールの美しい疑似餌
に不思議な気持ちに。日本もこれで釣られたか?
「誰がために憲法はある」ベテラン女優達による、原爆投下時に被害にあった
広島の中学生の作文の朗読行脚ドキュメント。まさに綾瀬はるかの「いしぶみ」
「岬の兄弟」なんともかんともどうしようもなく切ない作品。名演技でした。
「ある少年の告白」は、親にゲイの矯正施設に入れられた息子の話。アメリカ
では実際に沢山の人が入れられているという現実に驚き。
「ビューティフル・ボーイ」薬に溺れてゆく息子と父親の話。アメリカでは麻
薬の過剰摂取によるショック死が若い人の死亡原因のトップだそうだ。
「希望の灯り」「アガサ・クリスティー」「ねじれた家」「魂のゆくえ」おス
スメです。
───────────────────────────────────
編┃集┃後┃記┃
━┛━┛━┛━┛
先日の朝日新聞の朝刊に、社会人1年目の初任給のエピソードが出ていまし
た。それは漫画家・深谷かほるさんの「世廻り猫」の一話。初めての給料で、
若者が祖父をカレーのCoCo壱番屋に誘い、「初めての給料でじいちゃんと
うまいものを食べようと思っていたから」と。支払いをする若者の背中に、祖
父は深く頭を下げ、手を合わせる。ちょっとウルウルしました。今時の光景と
しては素晴らしいです。自分の若い時はどんなだったかと‥‥、後悔しきり。
新緑が深緑に向かう季節です。爽やかな毎日を過ごしたいですね。来月には
雨がやってきます。束の間の緑のシャワーをふんだんに!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
十月通信 2019.05.10 第141号
●発 行:「Bar 十月」 くぼたかずこ
〒160-0021 新宿区歌舞伎町1-1-10 tel.03-5272-1171
E-mail:kkmoravia@u01.gate01.com
●営業日:月曜~土曜&祭日 17時~24時
日曜はお休みです。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
Bar 十月 ホームページ : http://sites.google.com/site/kkmoravia/
十月通信 back number: http://ju-ga-tsu.blogspot.com