2012年7月14日土曜日

十月通信 七月号

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      「十月通信」  2012.07.10 第059号

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 みなさま、いつも御贔屓ありがとうございます。
 先日実施しましたBar十月恒例の「大人の修学旅行」、猿ケ京ツアー。まず、
群馬県特有の濃霧の歓迎からはじまり、雨のおやつに、コンサート終了の雷雨
の合図、そして晴天と、めまぐるしい中での猿ケ京でした。雨のシャワーを浴
びてきれいに輝く緑葉、そしてホテルの窓辺には、ツバメのヒナたちがちょこ
んと止まっていたり、山中の絶景の中での温泉は格別でした。
 ご参加頂いた方、本当にありがとうございました。

 今月7月20日で、当店「十月」は満7歳となります。これも皆様のおかげ
です。ありがとうございます。16日(休日ですが月曜日、もちろん営業しま
す)からの一週間はお祝いです。皆さまのお越しをお待ちしています。
 さて、今月のわたしの歌。

 ♪ 霧立ちて信濃に想いはせてみる瞼が陽射しキャッチするまで
 ♪ 夕まぐれ低空飛行のイワツバメ新宿の子はまだ眠らない
 ♪ 七年が静かに私について来る毎日ドアを開けては閉めて
 ♪ ローマ字になって世界を巡礼す ヒロシマ、ナガサキ、フク
   シマ ニホンの

 「大人の修学旅行」の猿ケ京へは、ちょうどよい空間のバスで片道2時間半
ほど。ハプニング続出で愉快な旅になりました。山の緑が、腹を抱えて笑って
いるようです。かと思うと雨が降ったり、雷が鳴ったりで、大忙しのお天気。
天の川のような、濃霧がおおう高速道路を抜けて、着いたホテルの食事も大変
美味しく、2キロは太ったかも。
 美しい織姫たち、そしてやさしい彦星たち、総勢30数名。七夕の夜は賑や
かに更けてゆきました。さくらんぼ狩りのおいしいさくらんぼや、青龍寺での
精進料理なども忘れられない味。
 今月、「Bar十月」は満7歳、8年目に突入です。これからもよろしくお願
いいたします。
 昨年の忘れられない災害はいまだに心を沈殿させています。決して忘れては
いけないのです。


■【好きな歌】
● ……………………………………………………………………………………… ●

 ♪ 空壜をかたっぱしから積みあげるおとこをみている口紅ひきながら
                 沖ななも「衣裳哲学」昭和57年


 沖ななも(おきななも 昭和20年~)。茨城県古河市生まれ。
 表記の歌には、汗にまみれて仕事を着々と片付けるおとこの姿に、力強さと
たくましさのほか、おとことはそういうものと思っているふうな女性がいる、
そんな感じがします。
 男を「おとこ」と書く、それがポイント。おとこは、ちょっと軽い。ほかで
だれがなにをしていても、私は女よ、ここにいるわって言っているような。女
であることを、ふつうに誇っているような。エロスを感じます。作者はどのよ
うな状況で、この歌を書いたのでしょうか?

 以下の歌もとても繊細で、唸りますね。
 ♪ 愛などと呼べどもこの世にあらぬもの風船かずらの実のなかの空
 ♪ 道の端にヒールの修理を待つあいだ宙ぶらりんのつまさきを持つ
 ♪ いつよりかPantomimeの人かげが死を演じいる さみし春の夜


■【「Bar十月」作品展】
● ……………………………………………………………………………………… ●
◎中野耕一作品展 2日(月)~31日(火)
 時代小説やファンタジー小説の挿絵でも活躍している中野さん。イラスト作
品を十点ほど展示しています。武士のきりりと狂気、おんなの妖艶と凄絶。

 ▼8月は李元淑版画展です。1日(水)~31日(火)の予定。
  昨年は日本版画協会賞、今年は川上澄生美術館大賞を受賞した李元淑、
 Lee Wonsukさんは、新進の若い女性版画家です。


■【日本酒の会】
● ……………………………………………………………………………………… ●
 6月の日本酒の会は、「奈良県のお酒」です。
 候補酒は、梅の宿(葛城市)、睡龍(宇陀市)、長龍(北葛城郡広陵町)、
白檮(橿原市)、百楽門(御所市)、八咫烏(吉野郡吉野町)、山鶴(生駒
市)‥‥。

 7月28日(土) 午後7時頃~、当店「Bar 十月」で。
 会費は2,500円、酒肴付。
 おもに地元のみ流通の、おいしいお酒が登場します。うるさい薀蓄なし。皆
様、いっしょにおいしいお酒を飲みましょう。

 8月は「滋賀県」、9月は「徳島県」のお酒の予定。


■【おしらせ】
● ……………………………………………………………………………………… ●
◎「粧」企画:「東京湾クルーズ 2012」は、8月26日(日)。
 恒例の東京湾クルーズ。今年は8月26日(日)実施です。コースは、両国
の東京水辺ライン乗り場-レインボーブリッジ-お台場-葛西臨海公園-荒川
-墨田水門-東京水辺ライン乗り場。現地集合は14時30分。19時に新宿
に帰ってきます。
 定員60名(満席になり次第締切)、料金は9,999円(8月15日まで)、
通常11,000円。お申し込みは、Bar十月までどうぞ。


■【映画日記】
● ……………………………………………………………………………………… ●
 なんだか見たい映画が目白押しで、映画館に住み込みたいぐらいです。
 さて、6月に観た映画は、
   1.私が生きる肌       9.ジェーン・エア
   2.浮き雲         10.道ー白磁の人
   3.夫婦          11.ファウスト
   4.孤独なツバメたち    12.11.25自決の日
   5.隣る人         13.ブラック・ブレッド
   6.星の旅人たち      14.ソウル・サーファー
   7.幸せへのキセ      15.ワン・デイ23年のラブストーリー
   8.ハングリー・ラビット  16.ケイト・レディが完璧な理由

 「私が生きる肌」、アルモドバル監督の作品は、いつもながら音楽が素敵。
 「孤独なツバメたち」は出稼ぎブラジル人の、日本で生まれた子供たちのド
キュメンタリー。日本で生まれたのに義務教育の資格がないそう。日本で学校
に行くには自主的に行くしかないとのこと。なんとかして行かせてやりたいと
いう気持が沸騰しました。
 「隣る人」、これも、緑に囲まれ陽がさんさんと照る児童施設でのドキュメ
ント。女性職員が母になって一緒に寝起きし、子供らを育んでいる。子供たち
はこの母が自分を守ってくれる人であることを充分承知しており、彼女の胸か
ら離れない。
 大きなお家の物語のよう。最後のシーンで映像がカットされているが、憎い
編集。私はこどもの頃、朝餉の味噌汁の匂いと包丁の音で目覚めた。朝の廚に
立つ、白い割烹着の母を思い出した。この映画を観た人それぞれが、それぞれ
の、みずからの朝を思い出したのではないでしょうか。とにかく、職員の方々、
本当に頭が下がります。お勧め!!


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編┃集┃後┃記┃
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 6月のおわりのある晩、当店のお客さまで、昨年亡くなった吉本憲三さんを
偲ぶ会をいたしました。50名近くの方々が集まり、賑やかで厳か、かつ豊か
な時間でした。個人の悪口なども言いつつ。
 人は亡くなっても生きている。それぞれの人の胸に想い出として残っていて、
記憶としてあるかぎりは。河村典子さんが会のはじめに弾いたバッハの音を、
おそらく彼は、照れて聴いていたことでしょう。

 7月7日、8日の「大人の修学旅行」猿ケ京版。当日の現地の天気は晴れた
り降ったり、濃霧だったり雷の銅鑼さえあったりで、賑やかな初日でした。七
夕とあって、牛乳のような、立ちこめた霧のなかのハイウェイをバスは進んで
行きました。ちょっと怖かったです。
 コンサート終了後のホテルでの宴会も大賑わいで、セーラー服や制服姿の女
子高校生? なども登場して大笑い。変身は愉快です。
 やはり「大人の修学旅行」ですね。みんな仲良く酒を酌み交す姿を見て、幸
せな気分になりました。来年はどんなことになるのやら‥‥。


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         十月通信  2012.07.10 第059号
●発 行:「Bar 十月」 くぼたかずこ
     〒160-0021新宿区歌舞伎町1-1-10 tel.03-5272-1171
     E-mail:kkmoravia@u01.gate01.com
●営業日:月曜~土曜(祝祭日も営業しています)
     17 時~24 時(土曜・祝祭日は19 時―24 時)
     日曜は休みます。
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○「Bar 十月」ホームページ: http://sites.google.com/site/kkmoravia/
○「Bar 十月」紹介ページブログ: http://ju-ga-tsu.blogspot.com
○「ゴールデン街」ホームページ: http://www.goldengai.net/shop/b/16/



2012年6月13日水曜日

十月通信 六月号

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      「十月通信」  2012.06.10 第058号

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 みなさま、いつも御贔屓ありがとうございます。
 いよいよ梅雨到来で、毎年のことながら、じっと我慢のじっとりしたナメク
ジの気分です。ワープロのように、雨→晴れ、に変換出来たら良いですね。五
月と言えばさわやかなイメージですが、今年は、雨にたたられ、走り梅雨のよ
うでした。
 そんな中、時たま吹く緑を揺らす風を受けて、ビールを飲みながらの、航空
公園野外音楽堂でのカントリー・ライヴは、とっても気持ちの良い時間でした。
音楽と風とビールは最高です。皆さんの五月はどうでしたか。
 さて、今月のわたしの歌。

 ♪ 野辺送り早緑ひかり風さわぎ宝剣岳に霞む昔日
 ♪ 夕間暮れ六月の田に蛙鳴く畔に忘れた古いスコップ
 ♪ 嗚呼トマト今は薄紅なでてやろ明日は都会か売れるといいね
 ♪ 麦藁にオクラの花のブローチをつけて澄まして新しき人

 つい先日舅が亡くなりました。長野県での農村暮らしを想いだしました。
 そこは、中央アルプスの麓の町で、天竜川の音もかすかに聞こえるのどかな
田園地帯。トマトの出荷なども夜なべでしていました。その時、トマトをひと
つひとつ奇麗に拭いて箱に並べるのですが、手が青く汚れてくるのです。そし
たら、姑が、作業終了後にトマトで手を拭いて、汚れの取り方を教えてくれま
した。農家の人は本当に賢いのだなあと思いました。
 毎年、農事日記とやらを付けていて、それに則(のっと)って作業を進めて
いるようでした。また、はじめて見たオクラの花のなんと強烈に派手で奇麗な
こと。アフリカ原産だそうです。
 もう、そこも、遠い場所になりそうです。

■【好きな歌】
● ……………………………………………………………………………………… ●

 ♪ ひまはりのがくんとキリストが千体
                 井上菜摘子「さくらがい」平成23年

 井上菜摘子(いのうえなつみこ 1944年~)。京都市生まれ。現在亀岡市
在住。この欄はいつも短歌なのですが、つい最近目にした、菜摘子さんの俳句
に、新鮮な浮力のようなものを感じました。
 俳句が持っている切れ味とシャープなイメージとはちょっと違って、上手く
説明出来ませんが、色彩美しく、風が吹いて、そこに詠まれている草花や虫や
ひとびとは、面白い社会性を持っていて、楽しい。みずみずしい。とてもいい
句ばかりで、ここに選ぶのに悩みました。
 兄、弟、妹さんがおられるようで、仲良しの家族が目に浮かびます。

 ♪ もういくつ蛍を足せば母が来る
 ♪ 蟻の列機械油の匂ひする
 ♪ みんみんや要点だけでいいのです
 ♪ 和箪笥のいちばん下は母の梅雨
 ♪ 表札に亡父が居り謹賀新年
 ♪ 草笛を吹いて浮力をとりもどす
 ♪ 結論をだした順からポピー咲く
 どれもこれも、味わい深く、すばらしい。私の好きな句です。


■【「Bar十月」作品展】
● ……………………………………………………………………………………… ●
◎又村統作品展 1日(金)~30日(土)
 「顔」をモチーフにしたレリーフ作品を十数点展示しています。どの作品も、
色彩も形もよくて、みていて楽しく、じぶんの部屋におきたくなる作品です。

 ▼7月は、中野耕一作品展です。2日(月)~31日(火)の予定。
  時代小説やファンタジー小説の挿絵でも活躍している中野さん、最近の作
 品を展示します。


■【日本酒の会】
● ……………………………………………………………………………………… ●
 6月の日本酒の会は、「大阪府のお酒」です。
 候補酒は、呉春(池田市)、利休梅(交野市)、片野桜(交野市)、近つ飛
鳥(羽曳野市)、浪花正宗(阪南市)、篁(岸和田市)、凡愚(茨木市)‥‥。

 6月30日(土) 午後7時頃~、当店「Bar 十月」で。
 会費は2,500円、酒肴付。
 おもに地元のみ流通の、おいしいお酒も登場します。うるさい薀蓄なし。皆
様、いっしょにおいしいお酒を飲みましょう。

 7月は「奈良県」、8月は「滋賀県」、のお酒の予定。


■【おしらせ】
● ……………………………………………………………………………………… ●
◎Bar十月恒例の大人の修学旅行は、「Bach @ MINAKAMI」、7月7日(土)!
 場所は、群馬県猿ケ京。関東と越後をむすぶ三国街道沿いの温泉郷。江戸の
昔には参勤交代の宿場でもありました。
 日にちは、7月7日(土)-8(日)。土曜日の朝、新宿を貸切バスで出発
し、日曜日にバスで新宿に帰ってきます(現地集合、現地解散の方も歓迎)。

 河村典子:ヴァイオリン、上尾直子:ピアノ、白戸文雄:コントラバス
 コンサート会場は、みなかみ町カルチャーセンターホール(群馬県利根郡み
なかみ町上牧 tel:0278-20-4040)。
 コンサートのあと、宿泊ホテルに移動して温泉、そして宴会! 希望者のみ
蛍見学なども予定しています。
 宿泊は「ホテル シャトウ猿ケ京 咲楽(さくら)」(みなかみ町相俣248
tel:0278-66-1151)。
 新宿からの交通費、宿泊、宴会(朝食)、コンサートで2万円。

 初夏の緑が美しい季節。みなさま、いっしょに行きましょうね。


■【映画日記】
● ……………………………………………………………………………………… ●
 なんだか見たい映画が目白押しで、映画館に住み込みたいぐらいです。
 さて、5月に観た映画は、
   1.わが母の記         9.ベイビーズいのちのちから
   2.ル・アーヴルの靴みがき   10.ファミリー・ツリー
   3.レンタネコ         11.孤島の王
   4.幸せの教室         12.この空の花.長岡花火物語
   5.恋と愛の測り方       13.稲妻
   6.ももへの手紙        14.めし
   7.さあ帰ろう、ペダルを濃いで 15.晩菊
   8.ポテチ            16.流れる

 「ル・アーヴルの靴みがき」はとても後味の良い物語。人生の達人らの正義
と良心が、美しい港の遠景と重なって、人のために何かしてあげたいという気
持が随所に見え、ほんわかとなる秀作。
 「孤島の王」は音楽がとても良い。氷原を渡りきる少年、少年院の現実には
驚くばかり。あの大人達のなかではとても更生出来ない、と思わせる。映像が
泣いているようで見応えのある作品。
 「ファミリー・ツリー」は、このごろあまり聴けないハワイアンの音楽が素
晴らしい!
 成瀬巳喜男作品は言わずもがな、丁寧な作品。高峰秀子のスパスパした台詞
はいつも、小気味よく心の太鼓を叩いてしまいますね。


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編┃集┃後┃記┃
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 私事で恐縮ですが、5月の初めに亡き夫の父上が亡くなり、いよいよ信濃が
遠くなるなあ、という想いを抱いて、告別式に参列してきました。人はこうし
ていろいろな人と場所とサヨナラをし、また、新たな場所に、想いの箪笥を置
くのでしょうね。そこにたくさんの心をしまうのです。いままで、仕付け糸で
縫っていたような人生でしたが、これからはしっかりと、丈夫な糸で縫い上げ
てゆきたいと思います。
 ちょうど一年前に亡くなったお客さまの一周忌も過ぎ、時間の流れにただう
なだれています。いつもこの辺りに座っていたのにな、と思ったりして。
 みなさんも、気に係ることはどんどんしておきましょう。誰かに謝る事があ
れば早くして、会いたい人がいればまよわずに会って。おいしいお酒が飲める
筈です。そうして、人生ケセラセラ!ってね。

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         十月通信  2012.06.10 第058号
●発 行:「Bar 十月」 くぼたかずこ
     〒160-0021新宿区歌舞伎町1-1-10 tel.03-5272-1171
     E-mail:kkmoravia@u01.gate01.com
●営業日:月曜~土曜(祝祭日も営業しています)
     17 時~24 時(土曜・祝祭日は19 時―24 時)
     日曜は休みます。
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○「Bar 十月」ホームページ: http://sites.google.com/site/kkmoravia/
○「Bar 十月」紹介ページブログ: http://ju-ga-tsu.blogspot.com
○「Bar 十月」ゴールデン街ホームページ:http://www.goldengai.net/shop/b/16/

2012年5月15日火曜日

十月通信 五月号

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      「十月通信」  2012.05.10 第057号

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 みなさま、いつも御贔屓ありがとうございます。
 先日、念願の福島県にある「三春の滝桜」に会いに行きました。千年もの歳
月を経たというこの桜、「にっぽん昔話」のなかにずーっと生きていたような
趣があります。滝桜に「謁見する」という感じでした。
 沢山の枝を振りつつ、「もっと近う寄れ」と言っているようでした。見ると
いうよりお目通り、会いにゆく桜。この樹がここまで生きてきた千年に敬意を
はらいつつ、会いに行くのです。みなさまも機会がありましたら是非!
 さて、今月のわたしの歌。

 ♪ その人は季節の隙間を縫って来た春雷雹と風と乙女と
 ♪ 風まじえ雹降る夜をわが店にたどりつきたる二人の乙女
 ♪ 嗚呼シニアさっき思ったことだって五月の風に飛ばされちまったよ
 ♪ いざゆかん樹齢千年滝桜悔いなき晩春(はる)の朝の謁見

 あるお客さんが、素敵な乙女を二人伴っていらっしゃいました。その日は雷
が鳴り、ヒョウが降り、雨が降り、さんざんな変化に富んだ一日で、彼曰く、
「季節の隙間を駈けて来た」。あまりにもすてきな台詞で、これはいただき。
 この頃、なんでもかんでも直ぐに忘れてしまうのです。嗚呼。
 先日、あこがれの三春の滝桜に会いにゆきました。千年もの間、スクスクと
生きながらえているということは、地元の方々が、いかに大事にしてきたかと
いうことですね。桜は、土地の長のように、人びとの悲しいことや嬉しいこと、
愚痴やさまざまな囁きに耳を傾けているかのようでした。
 皆さんも一度は是非、お目通りしてみてください。


■【好きな歌】
● ……………………………………………………………………………………… ●

 ♪ わが妻は畳の上で子を産みぬかつての下宿のごとき部屋なり
                  大島史洋「わが心の帆」昭和51年

 大島史洋(おおしま しよう 昭和19年~)。岐阜県中津川生まれ。早大修
士了。歌は妻の出産を詠ったものですが、つましく暮らしている様子が伺えて
好ましく思います。昔は、産婆さんが家に来て、家中の者が新しい命の声を待
ち望んでいました。そのような臨場感があり、優しい歌。

 以下のような歌も。妻を大事に思っている様子が手に取るよう。昔の男のよ
うな感じもないことはないですが、やはり戦後世代といった雰囲気が伝わって
きます。
 ♪ 産み終えて仁王のごとき妻の顔うちのめされて吾はありたり
 ♪ とびこえて無視してゆかんいくつかを妻となる君早くおぼえよ


■【「Bar十月」作品展】
● ……………………………………………………………………………………… ●
◎山田洋子コミックイラスト作品展:5月 1日(火)~31日(木)
 ウサギやキツネ、干支の動物たちを擬人化したコミックイラスト、そして、
いま現在われわれが生きている町の、人の集まるファスト・フード店内などを
活き活きと描いたポップな作品を展示しています。

 ▼6月は、又村統さんの作品展です。1日(金)~30日(土)の予定。
  昨年は、新宿界隈の酒場などに集まる有名、無名の人々の顔を描いた作品
 を展示していただきました。楽しい画でした。さて、今年は?


■【日本酒の会】
● ……………………………………………………………………………………… ●
 5月の日本酒の会は、「愛知県のお酒」です。
 候補酒は、奥(幡豆郡幡豆町)、長珍(津島市)、勲碧(江南市)、鷹の夢
(名古屋市)、明眸(瀬戸市)、金虎(名古屋市)、孝の司(岡崎市)、金銀
花(一宮市)、菊石(豊田市)‥‥。

 5月26日(土) 午後7時頃~、当店「Bar 十月」で。
 会費は2,500円、酒肴付。
 おもに地元のみ流通の、おいしいお酒も登場します。うるさい薀蓄なし。皆
様、いっしょにおいしいお酒を飲みましょう。

 6月は「大阪府」、7月は「奈良県」のお酒の予定。


■【おしらせ】
● ……………………………………………………………………………………… ●
◎Bar十月「大人の修学旅行」、7月7日(土)に決定!
 場所は、群馬県猿ケ京。関東と越後をむすぶ三国街道沿いの温泉郷。江戸の
昔には参勤交代の宿場でもありました。
 日にちは、7月7日(土)~8(日)。土曜日の朝、新宿を貸切バスで出発
し、日曜日にバスで新宿に帰ってきます(現地集合、現地解散の方もどうぞ)。

 河村典子さんのヴァイオリン・コンサート(「みなかみ町カルチャーセンタ
ーホール」群馬県利根郡みなかみ町上牧 tel:0278-20-4040)のあと、宿泊ホ
テルに移動して温泉、そして宴会。コンサートからの参加も歓迎です。
 宿泊は「ホテル シャトウ猿ケ京 咲楽(さくら)」(みなかみ町相俣248
tel:0278-66-1151)。
 新宿からの交通費、宿泊、宴会(朝食)、コンサートで2万円ほどの予定。

 初夏の緑が美しい季節。またホタルの季節でもあります。みなさま、いっし
ょに行きましょうね。


■【映画日記】
● ……………………………………………………………………………………… ●
 なんだか見たい映画が目白押しで、映画館に住み込みたいぐらいです。
 さて、4月に観た映画は、
   1.ドラえもん          8.アンネの追憶
   2.スーパー・チューズデー    9.アーチスト
   3.ヘルプ           10.超能力者
   4.別離            11.捜査官X
   5.ジョン・カーター      12.裏切りのサーカス
   6.私の叔父さん        13.カエル少年失踪殺人事件
   7.アポロ18

 「別離」はイラン映画、年寄りを抱える家族の話が軸。介護の女性が自らの
宗教上の規範から介護に支障をきたしたり、日本では想像ができないような場
面に吃驚する。熱心な信仰というものに考えさせられる作品。秀逸!
 「裏切りのサーカス」、久々に頭の体操をした感じがあり、面白かった。ト
ーマス・アルフレッドソンは中々、次回作も楽しみな監督。俳優が渋い名優揃
いで、完成度の高い映画と思う。
 「アーチスト」は兎に角、映像が奇麗。モノクロって美を引立てますね。


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編┃集┃後┃記┃
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 昨年秋の当店の「大人の修学旅行」。長崎での河村典子さんのヴァイオリン
演奏に感動された地元の方々が、再度彼女を招いて、「聖フィリッポ教会26
聖人に捧げるバッハ」演奏会が、去る4月15日に行われました。とても嬉し
いことなので、私も長崎に行って、聴いてきました。
 聖フィリッポ教会はとても可愛い教会で、アットホームな感じでした。教会
には、来日して50年のメキシコ人神父さんがいらっしゃいました。ミッショ
ンということでしょうが、人生の殆どを異国の地で暮らすというのは、それ自
体が殉教のような気もいたします。頭が下がります。
 河村さんの演奏は、いうまでもなく心に響いてきました。

 冒頭でも取り上げましたが、かねてよりあこがれの、三春の滝桜に会うこと
が出来てとても嬉しかったです。樹が意思をもって、丁寧に歳を重ねていると
いう気がいたしました。きっと、夜には、ちいさな声で、土地の人々や草や木、
虫やら生きているものすべてに、お話しているような気がしました。

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         十月通信  2012.05.10 第057号
●発 行:「Bar 十月」 くぼたかずこ
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     17 時―24 時(土曜・祝祭日は19 時―24 時)
     日曜は休みます。
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○「Bar 十月」ホームページ: http://sites.google.com/site/kkmoravia/
○「Bar 十月」紹介ページブログ: http://ju-ga-tsu.blogspot.com
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十月通信5月号

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