2012年9月9日日曜日

十月通信 九月号

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      「十月通信」  2012.09.10 第061号

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 みなさま、いつも御贔屓ありがとうございます。
 9月1日は関東大震災の日、9月4日は和歌山の台風被害の日だとか。災害
記憶日が増えて辛いですね。まだまだ残暑も厳しく、どんどん上昇する気温に
も順応してゆく我等人間はつくづく物凄いいきものですね。気温50度にでも
平気で生きてゆくのでしょうか。それぞれ、皆さんは自分にあった夏の籠り方
を実践しているかと思いますが、充分水分を摂ってくださいね。
 この間の「水上バスクルーズ」にご一緒してくださった方、本当にありがと
うございました。
 来年2月3日、「お座敷列車の旅」があります。またご一緒しましょう。
 先日、福島県須賀川市の「すかがわ国際短編映画祭」に行ってみました。現
地はまだまだ空き地や、斜めに傾いだままの家などがあって、地震の恐ろしさ
が蘇って来ました。その中での映画祭の実行は本当に誇らしく、関係者の努力
に脱帽です。
 さて、今月のわたしの歌。

 ♪ おもいっきり未来を詰めて貨車はゆく東北本線雨降りしきる
 ♪ 東北を指して重油の貨車が行く黒光りする弾丸のごと
 ♪ 女性車掌朝の挨拶さわやかに須賀川駅は初めての駅
 ♪ 省略の美学の極みだ映画とはとつとつ語るベテラン監督
 ♪ マネキンの脚した娘夜の風を切って残暑のモンローウォーク
 ♪ 今日の客博多長崎若松と玄海灘がさざめいている

 須賀川市での短編映画祭に行ったときのことです。目の前をタンクローリー
の貨車が、律儀に、ガタンゴトンと北を指してゆきました。中身は「未来」と
いう油が入っているように思いました。朝の雨を受け、光り輝いて、弾丸のよ
うに突き進んでゆく姿は頼もしい限りでした。
 郡山から東北本線に乗り換えたら、若い女性車掌さんで、車掌室のドアを開
け、乗客に向かって一礼しての挨拶には嬉しい限り。心がこもっていました。
 映画について、ベテラン監督のうんちくのあるおことば。唸ります。
 この頃の若い女性たちのなんと細く、なんと長い脚線美。日本もなかなか。
 ある晩の、当店カウンターでのお話。たまたま九州出身のお客さんが勢揃い
して、なんか可笑しくなりました。九州訛の海に、いろんなブイがプカプカ浮
いているようでした。


■【好きな歌】
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 ♪ 漂ふは神(しん)のみならずひらひらとまひるましろき坂くだりたり
                 高嶋健一「草の快楽」昭和57年

 高嶋健一(たかしまけんいち)、昭和4年、神戸市生まれ。広島文理大卒。
教育心理学専攻、静岡県立大学教授をつとめ、平成15(2003)年月逝去。
 上の歌は平仮名の「ら行」が遊んでいてリズミカル、かつ清潔感がある。両
手を拡げて、天使のように坂を下るさまは、愉快な感じさえします。

 以下の歌も、平仮名がダンスしているようで、樹々なども妖艶な感じです。
それにしても、「坂」や「水」、そのイメージがお好きのようですね。
 ♪ しらじらと水の面を水搏ちてかへらざれかの淡き樂欲(げうよく)
 ♪ かたはらに酔ひ深めゆく少年があはれけぶらふごとき瞳(め)をせり
 ♪ 利休梅坂のなかばに盛れると午後の曇りに見てくだりたり


■【「Bar十月」作品展】
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◎丁一作品展 9月1日(土)~29日(土)
 丁一、Jung Il(ジョン・イル)さんは、光州在住の美術家。写真を使った
ユニークな作品を10点ほど展示しています。横浜で作品展を開くのに合わせ
て開催。

 ▼10月は、シあルクスクリーンと写真。
  ◎西英一作品展「再起動」 10月1日(月)~15日(月)
  ◎岩木登写真展「北の森に宿るもの」 10月16日(火)~31日(水)
  西さんはグラフィック・デザイナー。最近は、アート活動に専念、シルク
 スクリーンやドローイングなどの制作を展開中。
  岩木さんは、八甲田連峰を中心に山を、森を、樹、峡谷を撮り続けている
 写真家。写真集に『峡谷に宿るもの』など。


■【日本酒の会】
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 9月の日本酒の会は、「徳島県のお酒」です。
 候補酒は、三芳菊(三好市池田町)、旭若松(那賀郡那賀町)、瓢太閤(阿
波市)、阿波天水(阿波市)、司菊(美馬市)、和右衛門(中和商店)、眉山
(徳島市)‥‥。

 9月29日(土) 午後7時頃~、当店「Bar 十月」で。
 会費は2,500円、酒肴付。
 おもに地元のみ流通の、おいしいお酒が登場します。うるさい薀蓄なし。皆
様、いっしょにおいしいお酒を飲みましょう。

 10月は「佐賀県」、11月は「香川県」のお酒の予定。
 いいお酒があったら教えてくださいね。


■【映画日記】
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 なんだか見たい映画が目白押しで、映画館に住み込みたいぐらいです。
 さて、8月に観た映画は、
  1.オロ              14.WINWIN
  2.おとなのけんか         15.マダガスカル3
  3.トガニ幼き瞳の告発       16.お引っ越し
  4.かぞくのくに          17.トータル・リコール
  5.ニッポンの嘘          18.台風クラブ
  6.あの日、あの時、愛の記憶    19.あなたへ
  7.ユナイテッド・ミュンヘンの悲劇 20.ヘッドハンター
  8.石巻市立湊小学校避難所     21.わたしの人生
  9.ゲームの規則          22.フレンチ・カンカン
 10.やがて哀しき復讐者        23.凍える太陽
 11.セブン・デイズ・イン・ハバナ  24.ルート・アイリッシュ
 12.眠れぬ夜の仕事図鑑       25.おおかみこどもの雨と雪
 13.チャイニーズ・ブッキーを殺した男

 「トガニ」、日本ではこれほどの映画を作れる人はいないような気がする。
イントロから次への繋げ方も上手いし、劇中の音楽には涙誘われる。「僕の心
に引き出しは一杯ある、けど君を癒してはあげられない‥‥」スローテンポで
心揺らす曲。それは主人公そのもの。子役がキチンと、力を発している。実際
にあった事件の映画化、今も真実を掘り起している最中とか。その街は霧で有
名な町、ムジンである。本当にお勧め。
 「ニッポンの嘘」はとても良質。昭和の証人としての役割を果たしている。
写真の構成は彼の全盛期、親子の情も良く現れていて秀逸。犬が良い。監督と
主人公との距離感がとても良く、優しい眼を感じる映画。
 「お引っ越し」は丁寧でなかなか良い。主役の田畑智子がすばらしい。
 「あなたへ」。久々の高倉健さん、いつまでも格好いですね。背筋が伸び、
役者魂を感じる。フロントガラスに映る空の青さ、通り過ぎる大きな樹々が、
作品の広がりを伝えている。元気になれる作品。最後の、「私は初めて鳩を飛
ばしました」という台詞には参りました。


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編┃集┃後┃記┃
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 先日、「すかがわ国際短編映画祭」に行って参りました。2日間開催のうち
の1日だけでしたが、福島県須賀川市での映画祭は24年目を迎えての、充実
した映画祭でした。海外参加作品の「巣立ち」、国内の「パパは風になった」
は秀作。海外作品や若手監督作品がもっとあればいいなと思いました。また、
来年が楽しみです。
 ただ山形映画祭と違って、上映終了後の作品についてのいろんな人びとによ
る交流の場が欲しいかも。二千円会費ぐらいで好きな監督と話したり、情報交
換など‥‥、未来の監督を目指す若者達を、もっと呼び寄せる策はないもので
しょうか。
 例えば、映画学校や映画コースを設けている学校の学生達から作品を公募し
て、入選した若者による短編映画の記念上映等があれば道も出来るし、志の高
い映画祭なので、もう少し工夫があるといいかもしれませんね。
 須賀川も、昨年の地震の被害がそのままで、やっとこ解体して、これから前
進する家などが沢山あり、駅前から空き地がポコポコ。そんな中での映画祭は
本当に頭が下がります。実行委員会の方がたの苦労がしのばれました。

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         十月通信  2012.09.10 第061号
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